2008年 09月 07日
サファリ-475 バナリパ |
先日、バナナリパブリック六本木ヒルズ店に椅子とテーブルを納品してきました。
ギャレットインテリアの内田堅一郎さんがプロデュースし、
私がデザイン、制作をした仕事です。
勿論構想の段階ではけんさんもデザインの詰めの作業に参加し、
と言うか、最後に革のパッドをセットする関係もあり、
革のスペシャリストとしての意見を取り入れながら、
二人で作り上げた作品です。
いちばん最初はバナリパ池袋店、次に恵比寿店、そして今回は
六本木ヒルズ店で、いちばん広いスペースを与えてもらう事ができたので、
気合いを入れて望みました。
テーブルは「IRON GROUND/不屈の大地」というタイトルで、
2年前に私がギャレットインテリアのために作ったもので、
今回の椅子とバランスが取れそうだ
とけんさんが言うので付け合わせてみました。
このバナリパのために作った椅子のコンセプトは、
「幻影的な伝統」です。
リサーチのためにいくつかの店舗を訪ね、
ホームページを観て、私はそれを感じた。
アメリカ生まれのこのブランドは、ベーシックを大切に
都会の洗練を目指しているけれど、どこかに、
荒涼とした大陸の遥かな空虚があって、
潤いのある伝統を渇望している亡霊が漂っているのを感じたのです。
ヨーロッパにしかない深い森林のような伝統は、
どうあがいてもアメリカには表現できない部分があって、
しかしそれを超えて遠くを見つめて、肩で風を切って進む、
アグレッシブな開拓精神が、結果的にこのブランドの個性となっているような。
私は猫足家具は苦手だけれど、ルネッサンスのイメージと
工業大国アメリカの象徴とも言える「鉄」という素材で、
ふたつの世界を融合させたかった。
デザインって、ゲームのようで実に面白いです。
by utyuuinu
| 2008-09-07 05:02
| 作品/intermezzo 間奏曲