2007年 10月 29日
サファリ-287 アフリカの記録-35 |
アフリカ大陸には炎のように輝く真昼と
蒼く透明で悲しげな闇夜があった。
それは必ず毎日規則的に交互に私の身体を訪れ、
風のように吹き抜けていった。
真昼の太陽は過酷な労働を続ける私を飢えさせ枯らしたが、
同時に太陽のエネルギーは私の心に前進する力を与えた。
しかし夜になると必ずと言っていいほど
私を憂鬱な気分にさせた。
そんなとき、大海原にちりばめられ、漂う宝石のような星たちが、
一生懸命キラキラと私を励まそうとしたが、
私の目にはそれらは泣いているように映った。
彼らは何かとても悲しい秘密を知っているようだった。
私は敢えてその秘密について尋ねることはしなかった。
私は薄々気付いていた。
テーブルの上の小さな灯火に
小さな弱い虫が飛び込んだ。
by utyuuinu
| 2007-10-29 04:29
| 旅