2007年 08月 29日
サファリ-257 アフリカの記録-16 |
コンドアを過ぎると気持ちは一気に終着点であるドドマに向かう。
しかし、私は自分の中にある問題が未だ解決していないことに気付いていた。
ドドマに着けばその答えが自動的に出るとは思えなかった。
「何故」の答えはこんな一ヶ月程度の旅で出る訳がないか‥‥‥と
諦めの気持ちで自分に言い聞かせるときもあった。
そして独りでサバンナを歩く緊張と疲れは、それは
一歩一歩の現実で、それ以外何かを考えるゆとりを、
サファリはなかなか与えてはくれなかった。
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マラソンランナーは走りながら
何を考えるんだろう?
ある夜、
その出来事はじわじわと前ぶれたっぷりに私に近付いてきた。
月の出ない夜は墨汁の中を泳いでいるように暗い。
大地が闇に覆われると、一気に死神が忍び寄る。
遠吠えが聴こえていた。
ハイエナの。
いつもより近かった。
航海日誌に記した一行の言葉
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ハイエナの笑い声は恐ろしい
by utyuuinu
| 2007-08-29 05:53
| 旅