2007年 08月 26日
サファリ-254 アフリカの記録-13 |
出発点のアルーシャから目的地のドドマまで、
南北にデコボコの国道が1本貫いていた。
私はその道を歩くのが嫌で、真西に半日歩けば
国道に出れる距離を維持しながら、
国道と平行してステップ地帯を歩いていた。
あと2日歩くと中間地点であるコロの街に着く。
テントを張り、火を起こして湯を湧かし、
トウモロコシの粉でウガリ(餅のようなマサイの主食)を作る。
タレはトマトのスープにバナナを入れたもの。
青いバナナは堅く、甘く無くて、煮るとサトイモもたいな食感になる。
食べ終ってコーヒーを入れ、火から少し離れて小便をした。
空には地平線まで名も知れぬ星々がめらめらと燃える。
小さな雲が等間隔で同じ高度の空を走って行く。
満月の明かりが大地を銀色に照らす。
そこを雲の影が同じ方に向かって走る。
大地が走っている。
いや、自分が大地を進んでいくように見える。
私は今、大地を進んでいる。
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アフリカの昼は明るい
アフリカの夜は暗い
アフリカの朝は銀
アフリカの夕は金
今私は生きている
この言葉以外、今の自分をどう表現できよう。
ここには何も無いが
今の自分に必要なすべてのものが
風や太陽、砂、草木の中に隠れているように思える。
私は自分の中に、
無限の地平線を見い出したいのだ。
by utyuuinu
| 2007-08-26 06:21
| 旅