2007年 07月 21日
サファリ-221 雨滴 |
森に降る雨の音は実に様々です。
途切れ無く「サァーーーーーーーーーーーー」っと聴こえるけれど、
それは全て違った個性のひと雫ひと雫が集合して、渾然一体となって
湿った森に横たわります。
耳を澄ましてそのひとつひとつを捕まえようと
森の中に佇むのは楽しい。
私のすぐ傍らでは雫のタクトが予告なしに打ち鳴らされる。
大きな葉に見事に命中した雫は「ぼつッ!」
堅い枝に当たる音は「ピチッ!」
とりわけ素敵なのが、椎の古木の高いうろに溜った水が溢れて枝を伝い、
ちょうど腕で言えば肘にあたるところから下に落下する、連続した水滴!
まさに“点線”となって「テテテテテテテテテテテテテテ‥‥」と続く。
見上げてギリギリまで目を近付けると、
その点線は必ずしも、いや、必ず直線ではなく、
落ちるというよりもうねりながら天に登っていく龍のように見えます。
同時に耳をかすめるので、水滴が空気を斬っていく音がまた素晴らしい。
「ッフ、ッフ、ッフ、ッフ、ッフ、ッフ、ッフ、ッフ、ッフ、‥‥‥‥」
とても悲しく残念なのですが、小さな泉が3年ほど前まであって、
そこに落ちる雨滴は
「ヒコッ、ヒコッ、ヒコッ、ヒコッ、ヒコッ、ヒコッ、」って鳴るんです。
壮大な交響曲についうっかり、聞き惚れてしまうとずぶ濡れになり、
いそいそと帰って温かいココアを飲んで身体を温めるのです。
by utyuuinu
| 2007-07-21 03:59
| 自然