2007年 07月 13日
サファリ-215 仕舞う |
「炎と水のキス」が売れる事になりました。
クライアントは工芸や美術品などをきちんと収集、保管する人なので
「箱書き」して欲しいとの依頼がありました。
箱書きというのは美術品などをしまうときに入れる桐箱の
フタの裏側に制作者の名前を自筆で書き入れる事です。
もともとそのような仰々しい事は好きでは無かった。
だれか好きな人にプレゼントするときでも箱は作りたく無い。
何故ならばちゃんと箱を作ってしまうと
「しまわれて」しまうから。
いつでもその人の目の届くところに置いてあってほしい。
そんな訳で新聞紙に包んでポイと渡すのが好きでした。
結局箱書きして喜ぶのは300年後とかに
なんでも鑑定団で偉い先生が鑑定したときに
飛び上がるおやじくらい。
実にくだらない。
ああくだらない。
今生きている私が作ったものを誰かが欲しいと感じてくれて、
それに金を払ってくれて、それで私は飯が食える。
それだけで充分なのです。
でも、嫁入りをするこの作品のために箱を作っていたら、
これから始まる幾年もの旅------------------
作品が安心して時代を乗り越えて行くためのカプセルとして、
きちんと作ってあげるのも悪くないと自分に言い聞かせて‥‥‥
ちょうど雨でテーブルも出来ないし、作ってみようと思ったのです。
‥‥‥でもやっぱり俺らしくないなぁ。
by utyuuinu
| 2007-07-13 01:52
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