2007年 07月 02日
サファリ-206 君の出番 |
彫刻に限らず「ものを作る」って、
「物語を作る」と同義語であると私は思っています。
オリジナルの物語を作る時、それは作り話ではあるけれど、
リアリティのあること、真実のことでないとやる意味がない。
そのために、実体験に基づいた取材が必要です。
取材とは文字通り材料を取るということ。
そして素材にたいして深く想い入れること。
「この材料にはこんな歴史や想い入れがあるから、
このとっておきの材料に失礼がないように、ぜひ凄いものを作りたい」
と、常に材料の力を借りて自分のノリを高めるようにしている。
そのような材料が私の仕事場にはたくさん転がっていて、
一見汚い廃棄物のように見える鉄くずや腐りかけた木材も、
私にとっては宝なのです。
ペペちゃんに与えてもらった制作にどの材料を使うか考えたとき、
「あれの出番かも。」と迷わず思って、それで先日から作り始めています。
切ったり削ったりすると、これほど古い材料であるにも関わらず
むせ返るような新しい松の匂いがする。
「待ってろよ〜今作ってやるからな。」って、当時もこいつは
大工さんに言われたかしらと考えながら作業するのは楽しい。
by utyuuinu
| 2007-07-02 05:33
| 作品/intermezzo 間奏曲