2011年 04月 04日
サファリ-1033 日の目を見ずに |
部屋の後片付けをしてたら1年ほど前に
提案だけして不採用になったドアノブの試作品が出てきた。
那須の「二期倶楽部」という会員制の高級なリゾートホテルの
増築工事のために依頼されたもので、
結局予算的な部分で折り合いが付かなかったので、
幻のプロダクトです。
「人間が自然の中で原点に立ち帰ることができるような」
というコンセプトだったっけなぁ。
楢の無垢のドアの前に立つと、
横一線の角棒が付いてるだけのレバーハンドル。
単なるシンプルな四角いハンドルに見えるんだけど、
実は円柱を4分の一に縦に割ったかたちをしていて、
握ってみると手のひらには円い膨らみを感じる。
触ったときに初めてその本質というか、
内面には温かいものが感じられるようにしたかった。
森の中のコテージ風な建築の在り方だったので、
素朴な木こりの家を訪ねるみたいなストーリーを考えていました。
木こりさんの家にはきっと温かい暖炉があって、
炎がパチパチ言ってて、テーブルにはスープが‥‥‥
暖炉にくべる薪は、丸太を斧で割るわけなんだけど、
その、割った薪のかたちがこのデザインのモチーフです。
無骨で外見は取っ付き難いおじいさんなんだけど、
話してみると優しかった、、、みたいな感じで、
「握ってみると柔らかくて‥‥‥」
by utyuuinu
| 2011-04-04 06:51