2010年 08月 06日
サファリ-881 啓示 |
最後に応募した公募展は神奈川県展というものだったのですが、
選外搬出の最終日に作品を引き取りに行きました。
もうすでにほとんどの選外作品は持ち去られ、
がらんと広い空間に私の作品だけがぽつんと置かれていた。
死体安置所に、変わり果てた我が子を迎えに来たみたいな気分だった。
我が子はやたら重かった。
会場は横浜の観光名所である山下公園とか中華街のそばにあって、
外国人や家族連れが熱せられた街をゆらめきながら流れていました。
そのすぐそばに、私が過去に作った作品があったことを思い出し、
久しぶりに行ってみることにしました。
港を見下ろす山の上、歴史的にも価値があるナントカ邸とか
フェリス女学院とかが立ち並ぶ中に
山手教会という大きな教会があって、そこの講堂の入り口に
鳩の像を作ったことがあった。
私が大学を出てすぐに、当時お世話になった
教授の先生に依頼が来た仕事だったから、
制作者はその先生の名前になってるんだけど、
私が呼ばれて作っといてくれと頼まれた。
制作の途中で、ここはもっと絞れとか
このへんはもっと手を抜けとか、
かなり強引に断定的に命令、指示されて、
私は言われるとおり作ったのですが、
指示通りに作るとそれがみるみる先生のかたちになってきて、
先生の技や造形に対する考え方を
そのまま盗むことができたようで、とても勉強になった。
寡黙な先生で、あまり構ってくれなかったけど、
その制作は私にとって彼からの最高の指導となった気がします。
そんな思い出の作品を見上げて、、、
ついでに礼拝堂で手でも合わせ(組んで)とこうかな‥‥‥
「神聖な場が汚れますので」とか言われてつまみだされやしないか
恐る恐るドアを開けてみる。
信者が並んで礼拝する横に長いカウンターとベンチ、
足元にパタンと倒すものが付いてて、ああ、これに膝を乗せるのか‥‥と
構造を理解した私は他に1人だけ離れたところでお祈りしてる人の真似をして
膝を乗せて手を合わせてみました。
キリスト様が言いました。
「まだまだ修行が足りないと私は感じましたけど。あの作品は。」
by utyuuinu
| 2010-08-06 00:31
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