2010年 04月 29日
サファリ-828 家族の肖像-18 |
命という奇跡がもたらすこと。
人生ということ。
それを今、私は考えずにはいられません。
作品中央に配される娘さんの在り方について
ずっと悩んでいたけど、3日ほど前から悪戦苦闘して
ようやく収まるところに収まったのですが、
素材(ステンレス)が望んだというか、
嫌がった結果、当初予定していたかたちとは
全く違う存在に結果的になってしまいました。
でも、その葛藤が傷跡のように
ゆらゆらうるうるとなって、
それが震える命のような存在になってくれました。
新しい命は、おとうさんとおかあさんが
出会ったから生まれるのであって、
それは儚く、しかし力強い運命でもある。
話はそれますが、ニワトリのテレサが間もなく
天国に行ってしまうかもしれない状況です。
病気で、ずっと苦しんでいたのですが、
もう長くないと思う。
私が初めて飼い始めた1羽目のニワトリで、
旦那さんのハット卿といつも一緒で、
私の仕事場のまわりで楽しく過ごしてきた。
昨年の秋に亡くなったセナのお母さんです。
今、私の仕事場の周りは10数羽のニワトリたちの楽園ですが、
そもそもテレサがいたからそうなっている。
私がテレサとハット卿をあのとき買ってこなければ、
ふたりはすぐに肉になっていたはずです。
でも、そうはならなくて、この夫婦は
人間を好きになることができた。
人生は予定通りになんてならなくて、
奇跡の連続で今があり、
それはゆらゆらうるうると、
真実味を持って刻み続けています。
明日、「家族の肖像」は完成します。
by utyuuinu
| 2010-04-29 02:12
| 作品/本流