2009年 10月 18日
サファリ-701 ギャラリー海-30 |
元来、芸術家とは優れたコーディネーターでもあるわけで、
白い空間でないと作品が展示できないなんて言うはずがないのです。
どんな空間でも野性的に、衝動的にそこの磁場を感じて
即座に呼応できるのが芸術家だと私は思います。
どうしてもそのギャラリーを好きになれなかったらやらなきゃいい
‥‥‥と勝手に考えて、私はやりたいようにやる事にしました。
ひとつだけ自分に対して厳命していたことがあります。
「自分の作品を想定しないこと」
そうすることで偏ったバランスのものになりはしないかという
漠然とした恐れがあったからですが、
もうひとつの理由として、このギャラリーが完成したら、
ここで個展を開かせてもらうことになっていたのですが、
いざ、そのときになって、まっさらな気持ちで
空間と対峙できなかったら失敗するということでした。
自分が作った空間ですから細かな寸法から何から
全て知り尽くしている。
ところが逆に、新鮮な気持ちで空間と出会うことができない。
そんな先のことを心配しても仕方が無いのは解っていましたが、
「なんとなく忘れる」
ことは空間にも、作品にも好ましいような気がして、
自然にそれができたのは幸運でした。
作家としてのお楽しみは後にとっておきたかった。
by utyuuinu
| 2009-10-18 06:48
| 作品/intermezzo 間奏曲