2009年 04月 17日
サファリ-608 不識-24 |
不識とは何だろう?と問い続けながら鋳造をしてみたけれど、
結局のところ全体が明らかになってくれなくて、
いつでも深い霧に覆われた霊峰のようです。
「意味は?」との問いに「知らない。」という答えが
そもそも頭に来る。
とりわけ謎なのが、庄作先生が
何故にこの作品のタイトルを不識としたのか、
観る者に何を伝えようとしたのか?
依頼者の方に庄作先生の作品集をいただいたのですが、
それをパラパラ眺めていると選んでいるモチーフに
実に動物が多い。
特に牛や豚、カエルやザリガニなど、
農作業と深い関係の動物たちです。
作品の目立たないところに入れる銘を
「耕人」とするくらい、
農耕人としての誇りを持っていたと言う。
作品も実に素直で朴訥とし、
牧歌的な空気を纏っています。
観ていると必ず連想してしまう偉大な詩があります。
雨ニモマケズ 風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシズカニワラッテイル
一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニイテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負イ
南ニ死ニソウナ人アレバ
行ッテコワガラナクテモイイトイイ
北ニケンカヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイイ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
ソウイウモノニ
ワタシハナリタイ
by utyuuinu
| 2009-04-17 04:01
| 職人