2007年 11月 24日
サファリ-307 Burning-07 |
「湯が沸いてほどの蓋を開けた瞬間に神様が出るよ。」
と、shinobu さんには告げていました。
何やら凄そうだと言う事だけは伝わっていたと思うけど、
私はそれを「神様」という言葉でしか表現できなかった。
だって、本当に神様に見えるんだもの。
湯面の色を見て、表面がキラキラと笑っていたら理想的な温度です。
この温度はとても重要で、高すぎると型の中でワルサをするし、
低すぎると流れていく途中で冷えて固まってしまいます。
型の冷め具合とその日の気温を感じて
湯の温度を見極めます。
るつぼから「ちょこ」というどんぶりみたいな容器を
箸でくわえて「とりべ」という注ぐための柄杓に汲み出します。
ちょこ1杯で5キロあり、この日は5杯汲んだからとりべの重さも加えると
30キロくらいになる。
“1000度の30キロ”はとんでもなく重い。
1000度というと言葉で表現し難いんですけど、
金属フレームの眼鏡をしているとフレームが熱くなりほっぺを火傷する。。。
くらい熱いのです。
熱いからと言ってとりべの柄の遠いところを持つと
重くて持ち上がらないから、柄の付け根を持たなければいけない。
神様が現れる炎の泉から、“光る水”を汲み出し、
それを長い時間かけて作って来た儚い空洞に流し込む。
流し込む時間は恐らく10秒くらい。
10秒間熱さと重さに耐え、祈り、流れる湯を見つめます。
流し込み終わった瞬間に、全ての仕事は終わり、
あとは数時間後に型を割るばかりです。
by utyuuinu
| 2007-11-24 10:41
| プロセス