2007年 11月 09日
サファリ-296 アジサシの迷走 トビの俯瞰 |
砂浜で小さな虫や草の芽や、
何やらご馳走をせかせかと探して歩き回るアジサシが気になって、
飛び立った後に行ってみるとそこには
彼が必死になって何かを探していた足跡が残っていて、
それはくねくねと、迷いながらの足跡で、
後を辿っていくとついどこまでも時間を忘れて追ってしまいます。
一方、天高く悠々と旋回するトビを観察していると、
尻尾を的確にねじりながら彼もまた
目を皿のようにしてあちこちを見下ろし、
野ねずみやひな鳥や力尽きた動物を必死に探します。
俗に離れたところから俯瞰した図の事を
鳥瞰図などと言います。
広い視野で全体を見渡すことを意味しますが、
それを客観的な見方とすると、
地上10センチを探しまわる姿はいかにも視野が狭く、
主観的と捉えることができるかもしれません。
しかし、表現する対象と取っ組み合いをしているときの方が
冷静な判断をしている事が多い。
至近距離からものを観察する時の方が
ものは当然細部まで見れるし温度や匂いを感じる事だってできる。
対象から遠ざかっていけば行くほど
社会における評価や金や、そんな全体性、
つまり邪念が出てくる。
何者にも邪魔されずに作品を抱きしめるとき、
その短い瞬間に、真実の閃きが産まれる気がします。
引いてはいけない。肉迫せねば。
by utyuuinu
| 2007-11-09 06:34
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