2007年 09月 30日
サファリ- 263 宇宙へ-3 |
真珠のように深い輝きを放つ白いたまごを
男は飲み込み言いました。
「お母さん、宇宙はどこにでもあるし広すぎるよ。
でも俺の中の宇宙にいてくれたら、
俺はまた安心して旅ができるってものさ。」
果たして本当に母がどこに行ったのか、
それは男にも、だれにもわかりません。
母が自分の体内に帰郷する事を男は望んだのかもしれない。
ただひとつ言えることは、
男はその日からまた再び歩き始めたのです。
広い宇宙のどこかで男は
美しい平原を超えて
岩を登り
天の月に吠えたり、
時には老木の木陰でやすらかに
眠りこけたりすることができるでしょう。
by utyuuinu
| 2007-09-30 02:19
| 旅