2007年 08月 25日
サファリ-253 アフリカの記録-12 |
サファリの朝は日の出と共に始まる。
太陽が低いうちにどこまで歩けるかが勝負だ。
テントをたたむ時、注意しなければならないのは
サソリを良くはたき落としてからたたむ事。
夜のあいだにテントの下に入り込んでいるから。
背負い子の荷物がしっかり背中とフィットするように調整し、
最初はウオーミングアップのつもりでゆっくりと歩く。
長く歩くためのコツは、足元をしっかり見つめて
決して遠くは見ない。
背負い子の重さで前傾姿勢だから、
無理に遠くを見ようとすると首が疲れるし、
足元から目を離すと障害物で足をくじく危険があるから。
そして絶対に逃げ水(遠くに見える湖のような幻)は見ない。
あれを追い求めると脅迫的な気持ちになり、不必要に喉が乾く。
歩いていて辛くなった時、辛さを忘れる方法は、
「この足は俺の足ではない。
今、俺は下半身という便利な乗り物に
乗っかって美しい景色を楽んでいる。」
と本気で思う。
「今日の風は気持ちいいねぇ、セバスチャン。」
「はい、旦那様‥‥‥」
太陽が真上に来たらグンとペースを落とす。
アカシヤの木陰や大きな岩陰で休む事はしない。
日陰は虫も多いし、様々な動物も同じように休みにくるから。
どうしても疲れた時は砂浴びをする。
私はサファリの道程で水を浴びたのは大きな街で
ゲストハウスに宿泊した4日間だけ。
あとはもっぱら砂で身体を洗っていた。
空気が乾燥しているのでそれは自然な事だった。
サバンナで素っ裸になり砂の中でゴロゴロしていると、
完全に動物と同じだなと苦笑していた。
by utyuuinu
| 2007-08-25 03:03
| 旅