2007年 08月 16日
サファリ-244 アフリカの記録-04 |
街は肌の黒い人間たちで溢れていた。
絶えず鳴り続けるクラクションの合唱、
ミュージックショップのノイズだらけのロック、
原色のペンキで彩られた玉虫のような車、
インド人の店から漂う香の香り、
街角のドラム缶で焼くとうもろこしの香ばしい匂い・・・・
音と匂いがいっしょくたになって
ぐるぐると回り、めまいがした。
アフリカンの陽気さと単純なパワーはそれまで
うじうじと卑屈にしていた私に強烈な日差しと共に
全身でぶつかってきた。
街を一巡りしてくるだけで私の心はギラつき笑うおてんと様のように燃えた。
夜になると弱い街灯の明かりがストリートを少し淋しく照らした。
肌の黒い彼らは闇に溶け、ズボンや靴だけが街を彷徨っていた。
私が泊まったゲストハウスは雑居ビルの3階にあり、
ブルーにペイントされた階段を上り、
ジャバラで動く鉄格子を開けると
小さなコンクリートの中庭を囲むように各部屋の
分厚い木のドアが並んでいた。
管理人に、出かける時は必ず鍵をかけるように指示され、
樽型の錠前を手渡された。
部屋の中には黄土色のむきだしのスポンジが
乗っかっているベッドと小さなテーブル、
あとは裸電球と壁に貼られた何故か南米大陸の地図と小さな窓があった。
その窓からは裏通りの街灯の下にうずくまる老人と、
向かいのビルに住む夫婦の
日本では見られないようなわりと激しい喧嘩が見れた。
by utyuuinu
| 2007-08-16 05:08
| 旅