2007年 06月 17日
サファリ-194 漣-17 |
鍛金と言う作業には、“最後の一打”というのがあります。
ひたすら叩き、
こだわっては叩き、
しぶとく諦めずに叩き、
なお叩き、
しかしいつかはおしまいになる訳で、
最後に一打ポン、、と叩きます。
その瞬間に、アトリエには絶対的な静寂が訪れます。
もう二度と叩かれる事のない彼が
静かにそこに佇んでいます。
その静けさと言ったら!
「しじま」という言葉があります。
「黙っている事」
という意味だそうです。
私は今、黙っています。
50t×2400w×900d、850kの鉄板を前にして。
「漣」第1部 完
by utyuuinu
| 2007-06-17 04:39
| 作品/本流