2007年 05月 13日
サファリ-164 ようちえん-2 コンセプト |
幼稚園の敷地は神社に隣接し、古い森に囲まれた山の上にありました。
森の緑が園庭に覆いかぶさるようなところ。
森の神様に子供たちは守られている感じがした。
園長先生の教育理念に「自然と共にある」というのがありました。
初期条件のひとつは、9つある保育室の全てが園庭に開いていること、
全ての保育室は1Fにあり、すぐにおもてにアクセスできること。でした。
他にプレイルーム、他目的室、美術室、職員室、その他給食保管庫、
教材庫、洗濯シャワー室、トイレ多数‥‥
などを法規の関係で延べ床面積2000hで納めるのも大変でした。
(大変だったのは私ではなく設計会社の人)
私が言いたい事をわめく度に設計からは
「それは無理」「そんなの無理」・・・・・
「この空間の素晴らしさが解らんか!」
「貴様こそ建築が何たるか解らんか!」
こればっか!
最初に浮かんだ風景は小人の部落でした。
http://utyuuinu.exblog.jp/m2007-01-01/#5369114
各保育室をお家に見立て、それを大きな屋根が守っている。
管理棟から続く巨大な1枚屋根を五十数本の鉄柱で支え、
林立する林の中に部落が点在するような風景‥‥‥
しかしコストの関係で天井高11メートルの空間は無くなってしまいます。
その時の私の落胆といったら!
でも保育室の配置構成はそのまま残りました。
どう考えても、今考えても、あの大空間は残念です。
しかし、子供の目線で観てみると今の天井でも高いし、
8角形のお家が点在し、そこを自由に行き来する子供の冒険心、
他の部屋を自然に感じる事ができる有機的な流れは
とても優しい空間になったのではないかと思っています。
by utyuuinu
| 2007-05-13 01:33
| 作品/intermezzo 間奏曲