2007年 01月 22日
サファリ-88 握手 |
だれかがその家を訪れたとき、まず最初に触るのがドアの引手です。
「やあ、こんにちは。よく来てくれたね。」
この言葉を、その家の主人が語りかける以前に、
客人はドアと挨拶をし、ドアノブと握手をするのです。
その空間で繰り広げられる楽しいひとときを期待しながら、
まず玄関の前に立ち、ドアを見る。
次に目線は引手に注目。
そのフォルムは主人の笑顔を感じさせる柔らかさが必要です。
そして凛として美しく佇んでいなければなりません。
歩みを進めて、少しドキドキしながらそっと掴む引手。
手の平が心から安心するフォルム。
視覚的フォルムではなく、触覚的フォルムです。
“触覚”って凄い。
0、1秒で全て伝わってしまいます。
みなさんも経験がおありだと思います。
誰かと握手したあと、その感触は確実に手に残るでしょう。手が憶えてしまう。
私が小学校のころ、父に連れられて憧れの巨人の試合を神宮球場に観に行った。
試合が始まる前に外で待っていたら柴田選手が歩いてきた!
握手をしてもらったのですが、あの時の感触は今でも忘れません。
大きくて冷たくて柔らかかった。
by utyuuinu
| 2007-01-22 02:05
| 作品/intermezzo 間奏曲