2006年 09月 14日
「月の生い立ち」 |
過去の作品なんですが、タイトルを「月」と言います。
ステンレスで出来ていて、
大きさは、長さが7500、高さは2800、厚みは1500もあり、
私がこれまでに作った中で最も大きな作品です。
なぜこれが月という名前か、少し長い文章になりますので数回に別けて
お話したいと思います。
読み苦しいところはごめんなさい。
昔「太陽がいっぱい」というアラン・ドロン主演の映画がありました。
幼心に素敵な題名だな‥‥と思っていた。
大人の映画だから。と、おやじは見せてくれませんでした。
ある満月の夜に「月がいっぱい」という言葉を口にしてみました。
なんか、体中の毛が濃くなったような気がして、
もうとっくに夕飯の時間なのに、小さな私は森に向かって歩いていきました。
近道であるススキの草むらを抜け、森の入口に辿り着くと、
森は恐ろしげに口を開けて私を飲み込もうとしています。
カブト虫を捕りに毎日通っている秘密の、私だけの森。
自分にとっては庭みたいな森なのに、その時は全く別の様相でした。
本当に真っ黒に墨汁をたたえた壷を覗き込むような、
鵺(ぬえ)の住む洞窟の入口のような‥‥‥。
垂れ下がったツルを暖簾のようにかき分け、奥の方をうかがって、
そしたら走って逃げ帰るつもりでいました。
しかしその時、私はどうしても帰る訳にはいかなくなった。
どんなに恐くても、奥に進まないといられない衝動が走りました。
何故ならば、その時に私が観た風景は、
私が生涯忘れる事が出来ない程美しく妖しかったのです。
続きはまた次回に。
ステンレスで出来ていて、
大きさは、長さが7500、高さは2800、厚みは1500もあり、
私がこれまでに作った中で最も大きな作品です。
なぜこれが月という名前か、少し長い文章になりますので数回に別けて
お話したいと思います。
読み苦しいところはごめんなさい。
昔「太陽がいっぱい」というアラン・ドロン主演の映画がありました。
幼心に素敵な題名だな‥‥と思っていた。
大人の映画だから。と、おやじは見せてくれませんでした。
ある満月の夜に「月がいっぱい」という言葉を口にしてみました。
なんか、体中の毛が濃くなったような気がして、
もうとっくに夕飯の時間なのに、小さな私は森に向かって歩いていきました。
近道であるススキの草むらを抜け、森の入口に辿り着くと、
森は恐ろしげに口を開けて私を飲み込もうとしています。
カブト虫を捕りに毎日通っている秘密の、私だけの森。
自分にとっては庭みたいな森なのに、その時は全く別の様相でした。
本当に真っ黒に墨汁をたたえた壷を覗き込むような、
鵺(ぬえ)の住む洞窟の入口のような‥‥‥。
垂れ下がったツルを暖簾のようにかき分け、奥の方をうかがって、
そしたら走って逃げ帰るつもりでいました。
しかしその時、私はどうしても帰る訳にはいかなくなった。
どんなに恐くても、奥に進まないといられない衝動が走りました。
何故ならば、その時に私が観た風景は、
私が生涯忘れる事が出来ない程美しく妖しかったのです。
続きはまた次回に。
by utyuuinu
| 2006-09-14 06:26
| 作品/本流