2011年 11月 02日
サファリ-1086 かしゃまでの個展-10 |
通常の「個展」というものは
作家が真剣勝負の作品を展示して、
そこにお客様が足を運び、
作品が訴える何かを感じようとする。
つまり作品に始まり作品に終わる
というものですよね。
かしゃまでの展示だってそれと同じ
スタイルではあるはずなのですが、
歴然と違うことがありました。
主役が作品ではなく、
訪れるお客様、もしくはお客様同士の出会いや
会話やそこで繰り広げられる、
共有する時間とかドラマとかであると感じていました。
「カフェ」ということがあるから、
当然お客様はお茶を飲みながら
作品とはまったく関係ない会話を楽しむ人もいる。
でもふと目をやると作品がそこにあって、
あーこれ歩いてる、、とかお目目が可愛いねぇ、、とか
言いながら自然に作品に親しむ人も多かった。
私はそういう光景を見る度に、
「よしよし、、、それで良いぞ、良い調子だぞ」
と、離れた席で(作品と)他人のふりしていました。
ことさらに作品について論じる人や、
作品に疑問を感じていらっしゃる方々には
解説をしてあげたりもするんですが、
大抵はお客様の反応をこっそり伺う感じで
気配を消して座ってたりしました。
「カフェ・かしゃま文化会館」がお目当てのお客様が、
偶然私の作品に気付いて
そこで何か創造的な時間を持てたら、
それがいちばん良い事のように素直に思えました。
だから、お客様が来ても、
そんなこと気にも留めないで
勝手にそこでぽつんとしてる自分の作品が、
なんかとても愛しく感じました。
by utyuuinu
| 2011-11-02 04:46
| 作品/本流