2009年 02月 11日
サファリ-565 次の空間へ |
時には私の手にあるものは指揮棒ではなく、刀にもなる。
闇に潜む私の宿敵と、紙一重の攻防をします。
切っても切っても敵は蘇り、合成された偽物の映像のように
私の目の前に再生する。
薄い膜のようなその空間にひと太刀浴びせると、
空間に裂け目ができてそこから光が漏れる。
切り裂かれた隙間はたちどころに、
壊死した皮膚のように青ざめて剥がれ落ち、
希望に満ちた新しい世界が現れる。
まばゆい光が少しずつ薄れ、次第に次の風景に目が慣れてくる。
そこには相変わらず、偽物の自分が静かに佇んでいます。
空間を切り裂くと、その向こうが闇のときもある。
床もない宇宙空間のような闇に私は飛び込み、
目に見えぬ暗闇に、再び太刀を浴びせる。
切って進み、切ってはまた進み、
最後に残された力で、渾身の一撃で振り下ろした太刀筋‥‥‥
その残像がかたちになったのもが、
昨年の春に私が発表した作品、
「!」であったのだと、つい先日私は気付きました。
by utyuuinu
| 2009-02-11 08:28
| プロセス